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 安良町交通博物館
 2015年7月18日
ハードオフお買い物日記
VICTOR カセットデッキ DD-9編

安良町交通博物館 管理人:安良町経由村上行き
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VICTOR カセットデッキ DD-9
2015年7月18日(土)ハードオフ村上店で購入 ジャンク品
再生できました。録音時ノイズがかなり出ます。864円

この画像のみ1920X1280サイズに拡大されます。他は1280X853サイズに拡大されます。

 横幅が450mmなのでかなり幅広に見えますが、一般的な435mm幅のものにサイドウッドを付けた時の幅よりは若干狭いようで、やや中途半端なような気もします。

 当時、KD-A55やDD-V7という機種はリアルタイムで使っていたことがあるのですが、何でビクターだけメカが右側にあるんだろうと思ったものです。またVICTORというとバーゲンの時の山積み商品というイメージが強く、このDD-9という機種は正直知りませんでした。でも調べてみたら1981年頃の高級機で、人気もあるということが分かったので確保した次第です。外観に関しては前面パネルは清掃の必要のないほどきれいな状態でしたが、天板には無数の茶色いシミが付着していました。ただ幸いなことにサビではなく油汚れだったので、洗剤で拭いたらきれいになりました。


 背面にはワイヤードリモコンの接続端子と、50Hz/60Hzの切換SWがあります。前面パネルと違って古めかしさを感じさせますね。

ヘッド周辺の確認

クリーニング後の画像です。

 購入後真っ先にヘッド周辺を確認したところ、録音ヘッド、再生ヘッドともに、広範囲ではないものの、点状の汚れがこびりついていました。クリーニング液で除去を試みましたが簡単には取れず、かなりの時間が必要でした。ピンチローラーやキャプスタンにはまだ汚れが残っています。

動作確認

 ヘッドクリーニングが終わったので実際にテープを入れて再生ボタンを押してみたところ、他機での録音なので高域の伸び方などに若干の違いは見られるものの、問題なく再生できました。

 次にCDプレイヤーを接続して録音してみました。SOURCEとTAPEを切換ながら録音レベルを調整して、ヘッドフォンを使ってモニターしたのですが、あれ?ノイズなんて出ないじゃん。もしかするとヘッドにこびりついていた汚れのせいだったのかも知れませんが、ちょっぴり拍子抜けというか、嬉しい誤算です。

 録音テストにはDAISO以外の100円ショップに置いてある薦田紙工業の2本で108円のノーマルテープを使いましたが、バイアスとイコライザーを自動調整する"BES"を作動させると途中でエラーが発生します。もしかすると調整範囲を超えてしまっているのかも知れませんが、それでもSOURCEとTAPEの音質の差は非常に小さく、録音レベルを高めに設定しても歪みは比較的少なく良好な録音状態でした。

 ただ、一つ気になることがありました。それはオートシャットオフが作動しないことです。録音、再生、早送り、巻き戻しのいずれにおいても、巻き終わってもシャットオフしないため、手動で停めてやる必要があります。まさか仕様とも思えませんが、やはりどこか悪いのでしょうか。

 そうやって1〜2時間程度色々試してみたのですが録音時にノイズが発生することはなかったので、今度は60分テープのA面にCDを通しで録音してみることにしました。そして30分が経過、相変わらずオートシャットオフしないので手動で停めてやって、今度はB面に移ろうとしました。

ところが今度はウンともスンとも言わなくなってしまいました。

 再生ボタンを押してもヘッドが一瞬上昇してすぐに下がってしまいます。早送りも巻き戻しもできません。録音時にノイズが出ないことに喜んだのもつかの間、約2時間半でお亡くなりになってしまったようです。製造から34年、私の所へ来てから2時間半で死亡、短い人生?でした。今思えばシャットオフしないのもその兆候だったのかも知れません。

合掌。

機械的な破損かも

 突然死に近い状況だったので部品の劣化というよりも、どこか機械的に破損したのではないかと思って色々眺めてみるもののサッパリ分かりません。ところがデッキを傾けた瞬間にカランカランという音がして小さな部品が出てきました。

何じゃこりゃ?もしかしてこいつが犯人かも。




ノギスが出てきたわけじゃありませんが・・・

 直径約2mm 長さ約5mm程の小さな金属製のピンが出て来ました。恐らくメカのどこかから外れたものと思われますが、なかなか場所が特定できません。

この状態でなんとか再生できないか・・・

デッキ底面からの撮影です。下の方に見える小さな基板はヘッド用の基板です。

 この状態で再生ボタンを押すと、ヘッドがいったん上昇(この写真では下方に動きます)したのち、すぐに元に戻ってしまいます。再生ポーズ状態にするとヘッドは上昇したまま固定されて下りてくることはないのですが、ポーズを解除するとまたヘッドが下がってしまいます。

 そこで再生ポーズにした状態で画面中央やや下にあるレバーを左方に動かしてやると・・・

 ポーズを解除してもヘッドが戻ることもなく再生音が聞こえてきました。ということはこのレバーを辿って行けば、どこかにピンが外れた箇所があるはずです。

ピンが外れた箇所の特定

 画像ではちょっと、というかかなり分かりづらいですが、画面ほぼ中央の奥の方に乳白色のレバーと金属製のレバーが重なり合っている箇所があって、どうやらそこに取り付けられていたピンが外れた模様です。

 ピンの取り付け孔自体を直接目視することはできないのですが、荷札の針金のようなごく細い針金をL字型に曲げて入れてやることによって、そこに取り付け孔があることと、2つのレバーが連動して動くことが確認できました。ピンの外れた箇所が特定できたので、今度は如何にして取り付けるかの検討です。

ようやく取り付けできました

 狭い場所で直接目視もできず、手探りで取り付けるのは不可能に近い状況です。ピンを糸で吊るしてみたり、ピンセットで挟んでみたりしても一向に上手く行きません。これはもう本格的に分解するしかないかと思いかけていた矢先、前面パネルを取り外した状態でカセットホルダーを開けてやると比較的容易にアクセスできることが分かりました。ここまでたどり着くのに半日(いったん諦めて一晩寝て、また翌日にさんざん悩みました)かかりました。

 写真の矢印の箇所が今回ピンを取り付けた箇所なのですが、ここへ取り付けるのも結構苦労しました。取り付け孔自体が結構狭いので、ピンセットで挟んでスッと入れてやることもできずに、結局は先の細いラジオペンチでガッチリ挟んで力を込めて押し込んでやったのですが、逆に言えば取り付け孔自体に破損や亀裂がなかったということなので、当分は抜ける心配はなさそうです。

 この写真ではキャプスタンの汚れが目立ちますが、その後清掃、東芝のヘッドイレイサーHE-1を使ってヘッド周辺の消磁を行いました。

再度動作確認

 ピンを取り付けた状態で電源オン、テープを入れて恐る恐る再生ボタンを押してみました。そしたらヘッドが戻ることもなく正常に動作しました。さらにオートシャットオフも動作するようになっています。やはり一連の不具合はこのピンのせいだったようです。

 この機種はヘッドが上下するときに結構な音と衝動が発生するのですが、製造から34年経って徐々にピンが抜けて行き、私の所へ来た時点では完全に抜けずに辛うじて留まっていた状態なのではないかと思います。そのためにレバーが本来の動きをせず、シャットオフが機能しなかったのではないかと推測します。そして私が動作確認をしている最中に完全に抜け落ちたと・・・多分そういうことだろうと思います。

内部の写真です

 天板に放熱用のスリットがある関係で、トランス周辺にはホコリが少し付着していましたが、それ以外の部分は新品のようにきれいな状態でした。






 録音ボリウムはタッチ式で指針が動くようになっているのですが、チューナーや昔の真空管ラジオを思わせるような糸掛け式でした。






外観チェック

 操作ボタンの表面は拭きましたが、それ以外の部分は拭いていません。キズも汚れも殆どない、極上のコンディションでした。

 メーターはVU表示とPEAK表示とを切り替えることができます。今はPEAK表示の状態です。


 当時のビクターはドルビーを採用しておらず、この機種にはドルビーBと互換性があると言われるANRS(アンルス)と、その改良型のSuper ANRS(スーパーアンルイス)が搭載されていました。

 操作ボタンはちゃんと拭いたつもりだったのですが、拡大して見るとまだ汚れが残っています。

 このタッチ式の電子ボリウム、実際に使ってみるとかなり使い易いです。


 カウンターは通常の4桁のカウンターと、時間表示を切り替えることができますが、早送りや巻き戻しの時は時間表示の方は変化しないようです。



 このDD-9という機種、非常におしゃれでハッと息を呑むようなクールな外観で、見た目だけで言えば最近の製品のようにも思えますが、テープセレクターが自動ではなかったり、頭出しができなかったり、リモコンが有線だったり、電源周波数の切換スイッチがついていたり、何よりも再生ボタンを押すたびにガチャコン!と、壊れるんじゃないかと思うほどの音がするなど、古い製品だということは否めませんね。
 
 さすがにこのクラスになると音質も良いですし走行性能も安定しています。でもこの当時10万円を超えるクラスのカセットデッキって、オーディオマニア以外はちょっと手を出しにくかった価格だったのでしょうね。私なんかもそうですが、デッキに10万円以上かけるならば、その分をアンプやカートリッジなどに配分した方が良いと思っていた人も少なくないと思います。この機種は1981年頃に129,000円で発売された機種のようですが、私の場合はその3年後に同じ価格で発売されたサンスイのAU-D707Xというアンプを買うのが精一杯で、それと同価格帯のカセットデッキを買うことなど考えもしなかったものです。

(2015年7月20日追記)
 その後、ハイポジション用のTDK CDing2を使ってみましたが、やはりBESはエラーになりました。そのせいか若干高域が落ちている気がしないでもありませんが、中低域が結構充実しているのでそのように聞こえるのかも知れません。全体的にはふくよかな音というか、良い意味でアナログ的な音という印象を持ちました。メーターの振れ具合に左右で若干の偏差が見られるものの、かなり良くできたデッキだと思います。ただ、再生ボタンを押したときの"ガチャコン"だけは勘弁して欲しいですが・・・。

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